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2011年1月13日 (木)

「最後だとわかっていたなら」ノーマ コーネット マレック 著/佐川睦 訳

わたしは5人家族です。父・母・妹2人とわたし。
けれど、青年期と言われる時代に、父を事故で亡くしました。
そして、ともに歩んできたかけがえのない、自分の分身とも言える妹を数年前に殺されました。
もうひとりの妹は、生まれたときからの難病で、いつまで生きられるかわからないと言われ続けて
これまでを第1級障害者として生きてきました。

当たり前に一緒に居た家族が、ある日帰らなくなる現実。
もう声も聞けない。
触れることもできない。
「ありがとう」も「ごめんね」も「好きだよ」も伝えられない。
老いも若きも関係なく、健康も病弱も関係なく、
いつ何時「死」というものは私たちを襲うかわかりません。

あの日、玄関を出て行く父の姿が最後だとわかっていたなら
わたしは父に、「いつもごめんね」や「ありがとう」を伝えられたんじゃないのか。
あの日、日本を離れる妹の顔を見るのが最後だとわかっていたなら
嫌がるくらいに抱きしめて、「大好き」って「ありがとう」って言って
彼女の感触や匂いや声を、脳裏に焼き付けて
彼女が気にやんでいた「ごめんね」の気持ちにも「全然気にしてないよ」って言ってあげられたのに。

家族だけじゃない。
友人の死や、大切な人の死に直面する度に
「もっと伝えられたのに」って思うことがたくさんありました。

自分自身が脳腫瘍で運ばれた時には「もうこれが最後かもしれない」と覚悟して
いろんな感情が渦巻きました。

今、わたしが生きてるのは当たり前なんかじゃない。
明日は来ないかもしれない。
それは、わたしにも、わたしの大切な人にも。
だからこそ「大好き」とか「ありがとう」とか「ごめんなさい」って言葉を
明日じゃなく、今伝えたい。


この本は、9.11のあと世界中に配信された、ひとつの「詩」です。
わたしが心の奥底でいつも思っていることが、そのまま描かれていました。

最後だとわかっていたなら
110113

---

そしてわたしたちは 忘れないようにしたい

若い人にも 年老いた人にも
明日は誰にも
約束されていないのだということを

愛する人を抱きしめられるのは
今日が最後になるかもしれないことを

---

いろんな人にわたしが伝えたかった気持ちが
たくさんたくさん詰まっている本です。

ブクブク交換でいただいた本なのですが、この本に出会えたことに感謝しています。


今、自分が関わっている舞台も「死」にまつわることがテーマになっており
今年、自分自身が掘り下げようと思っていたテーマも「死」でした。

どうか、たくさんの方がこの本を手に取って
大切な人へ「愛してる」や「ありがとう」や「ごめんね」を、今伝えられるようになりますように。

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