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2011年1月20日 (木)

「錦繍」宮本輝 著

「愛のについて」という曲を知っていますか?

わたしが「錦繍」と「愛について」に出会ったのは、おそらくほぼ同時期でした。
それが故かもしれませんが、「錦繍」を読むたびに「愛について」が、
「愛について」を聴くたびに「錦繍」が、
わたしの心にはリンクして渦巻きます。

--
前略 
蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした。
--

愛し合いながらも、離婚する夫婦。
「善」「悪」では片付けられない、感情。業。

責めたり、悔いたり、詫びたりしながら、
「今があるのは、過去があるから」ということに気づき、進んでいく
もどかしくも、せつなくも、いかんともしがたい気持ちが
「手紙」という、堅苦しくも素を語らざるを得ない、そんなやり取りで表現されていく。


「愛について」もまた、離婚した母と子、そして男の歌だ。
---
愛のことを考えながら 子と母は生きていく
愛のことを考えながら 男もまた生きていく
---

なぜ、ふたりが別れなければいけなかったのか。
なぜ、愛し合いながらも別々の道を歩むことになったのか。
人はなぜ、過ちを犯してしまうのか。
業(カルマ)とはなんなのか。

何度読んでも、泣き
何度読んでも、学び
何度読んでも、悩む。
そんな作品です。

宮本輝を読んだことのない方にも、ぜひお薦めしたい一冊です。

110120
「錦繍 (新潮文庫)」宮本輝 著


書簡体小説の中でも、飛び抜けてすばらしい作品であることを最後に付け加えたい。

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